うつ病を隠して入社した社員が、企業に大きな損害を与えたケースです。
採用当初は非常に優秀で、知識やスキルも申し分なく、即戦力として期待されていました。しかし、重要なプレゼンテーションの前日に突然連絡が取れなくなり、当日も出社しませんでした。
急遽、他の社員が顧客対応に追われ、大きな混乱を招きました。
その後、1か月間無断欠勤を続けた後に何事もなかったかのように出社。しばらくは勤務を続けたものの、遅刻や欠勤が目立つようになり、勤務態度にも問題が見られました。最終的に解雇を通告したところ、社員は「不当解雇」であると訴え、労働紛争に発展。調停の結果、6か月分の給与を支払うことで和解し、企業側は約800万円の損害を被りました。
採用時の健康状態の申告義務、勤務状況の記録、適切な対応の重要性を改めて考えさせられる事例です。